「アート思考」から学ぶべきこと【ビジネスマン・ウーマン必見】

みなトン
みなトン
「最近、アート思考って話題だけど、なんなんですかね。ビジネスマン・ウーマンが知るといいことあるんですか?」

という疑問にお答えしたします。

そもそも、「アート思考」とは?

「アート思考」という言葉は今話題になっていますが、調べているかぎり、明確な定義はなさそうです。ただ、私的に、すごくわかりやすい定義が、末永幸歩さんの「13歳からのアート思考」にあったので、そちらをご紹介します。

「常識」や「正解」にとらわれず、「自分の内側にある興味」をもとに、「自分のものの見方」で世界をとらえ、「自分なりの探求」をし続けること

まさにこれです‼
と言われても、よくわからないと思うので、上記太字の2つのポイントを説明します。

「自分の内側にある興味」

末永さんは、「アート思考」を「アートという植物」に例えて説明されています。

・「表現の花」:自分なりの答え(アーティストの作品)
・「興味のタネ」:自分のなかに眠る興味・好奇心・疑問
・「探求の根」:自分の興味に従った探究の過程

「根」がなければ「花」はすぐしぼんでしまいます。ですが、そもそも、「種」がないと伸びも咲きもしないのです。

なので、「自分の内側にある興味(種)」に気づくことこそが、アート思考の一番の重要なことということです。他人から与えられた花に向かって進むのでなく、内なる関心からスタートして花を咲かせるということ。

「自分のものの見方」

これについても、末永さんは、「数学」と「美術」の関係を「太陽」と「月」に例えて説明されています。

・数学=太陽:明確で唯一の答えがある
・美術=雲 :常に形を変え、一定の場所に留まることはない

数学は、不変の太陽のように、唯一の解を見つける能力が求められるが、美術(アート)は、変化する雲を見て、雲の中に、ゾウや鳥など、自分のものの見方で「自分なりの答え」を作ることが求められている。

つまり、「自分なりのものの見方」を探究し続けることが重要ということです。

結論は、「アート思考」というのは、自分の興味をもとに、自分の見方から、自分なりの答えを考え続けることと、言えますね。

兎にも角にも、末永さんの使っている例えがわかりやすすぎます、これもアートなのかw
是非、「13歳からのアート思考」を読んでみてください。美術を勉強したくなると思います。

「アート思考」から学ぶこと

「アート思考」のことはわかったけど、ビジネスマン・ウーマンは、「アート思考」や「アート」から何を学べばいいのか?

  • マインド
  • 「見えないもの」を考える力
  • 自分の感性

マインド

ビジネスマンは、別にアーティストではないです。
ですが、上記のアート思考は、ビジネスマンがもつマインドとして非常に大切なマインドではないでしょうか。

ビジネスでは、「イノベーション」「ゼロベース思考」などが大切とずっと言われていますが、それを体現しているのは、まさにアート思考を実施しているアーティスト達です。

なぜなら、20世紀のアートは、過去のアートの考え方を打破してきた歴史です。それはアーティスト達が、常にゼロベース思考で、今までのアートの常識にとらわれない見方を、考えに考え、作品を生み出してきた結果なのです。

つまり、「イノベーション」「ゼロベース思考」を大切にしているビジネスマン・ウーマンこそ、「アート思考」は見習うべきマインドそのものではないでしょうか。

そして、ビジネスマン・ウーマンとしては、イノベーションやゼロベース思考に基づき作られているアート作品を見ることで、その新たな見方の発想を見つける可能性があると思います。

「見えない部分」を考える力

「アート思考」のことを熱弁してますが、過去の私は、美術館に行っても、何これ、よくわかんないなぁ、生きていく上で必要なのかなと思っていたぐらいの無味乾燥な人間でした…すみません。

でも、「アート思考」という考えを知って、アート作品を見るというのは、その作品の意図を考えること自体に意味があるということ知りました。もっと前から知っておきたかった…

直島・地中美術館館長を務められた秋本雄史さんは「アート思考」の中で、本物アートの条件として、

「いい作品は自由に見ることができて意味が重層的だ」

と述べています。

つまり、アーティスが考えるの作品の本当の意図はあるかもしれないが、それが解なのではなく、作品を見る側が様々な意図を考えることが本質ということです。

何が言いたいかというと、ビジネスマン・ウーマンとしては、作品の意図を考えることは、解がないことを考えることであり、見えない部分を、自分なりの考えで、解を作っていくプロセスなのです。

また、世界中のアーティストと接してきた秋本さんは、

「人が見えていない世界」を先取りすることが、オリジナリティを生む発想の原点になっている

と分析しています。

ビジネスも同じではないでしょうか。人がみえていない世界を見ることができれば、それは多大なビジネスチャンスにつながります。
アートを見て、見えない部分を考える力を鍛えることは、ビジネスにも活かすことができる力だと思います。

自分の感性

「アート思考」から学ぶべきことの中で、私が一番重要だと思うのは、アートを通して、自分の感情・感性を知ることだと思います。

アーティストの意図を考えることも大事ですが、それよりも、まず、その作品を見て、どう感じたのか。その感情は、なんでそう感じたのかを、考えることの方がより大事だと思います。

なぜなら、アート思考の根本は、自分の興味・関心からと述べましたが、それは、自分の感情や感覚から生じるものだから。

といっても、アート作品を見て、どう感じるのかとかよくわからないよと思いますよね。感じる・考えるといっても難しく考えなくても良いことを末永さんは教えてくれています。

これもまた、わかりやすい例が。「音楽鑑賞」です。

末永さんは、ザ・ビートルの『イン・マイ・ライフ』を聴くと、フィリピンやニュージーランドでの旅を思い出すというのです。旅の間に起った出来事や、出会った人達のことを。

でも、よくよく考えてみると、この曲は、ジョンレノン自身の経験や記憶をもとに歌詞が作られているものであり、末永さんが行った場所や人のこととは関係がないはずです。でも、その曲から、感じたイメージや感覚が生じている。そう、それが末永さんの『イン・マイ・ライフ』から感じた、「自分なりの答え」ということです。

まとめ

ビジネスに活かすことができるかもしれないという思いで、「アート思考」を勉強しようと思ったわけですが、私の結論としては、ビジネスに直結するかはわからないけれども、自分という人間を成長させてくれる発想であり、それが結果的に、ビジネスにおいても、よい結果をもたらすことができるかもしれない思考法だと結論付けました。

秋本氏の「アート思考」の副題である、『ビジネスと芸術で人々の幸福を高める方法』という言葉がまさにその通りだなぁと。

長くなりましたが、以上です。