という疑問にお答えしたします。
森を見るために、木を探せ
会計士になりたての人は、学ばなければならないことが一杯です。また、多くの業務が初めてであるため一つ一つに時間がかかります。そうすると、目の前の業務に追われ、場当たり的に対応してしまう恐れがあります。その場当たり的に対応する方法を覚えてしまうと、その対応方法が普通となり、そして、ずーっとそのままだと、自分が見たことしかわからない広がりのない会計士になってしまいます。
これは、木を見続けて、森を見なかった最終形態です。
上司に森を見ないとダメだと言われたことがありましたが、その時は、森を見るには、どうすればいいんだよ?最初から森が見られるなら苦労しないと思ってました。
だって、「木を見て、森を見ず」という言葉があるということは、多くの人が木しか見てない、いや、見えないから、そんな言葉があるんですよねw
そして、何も行動せず森を見ることは無理という結論になりました。
じゃあ、膨大な知識や経験をしないと、見られないのか…
本当の意味で、森を見るには、膨大な知識と経験が必要なのだろうと思っています。まー、私はその視点に立ててないので、わかりませんが、たぶんそうなんだと思います。
でも、宇宙ほどの高さから見なくても、ほんの少し高い、丘ぐらいの高さから見るでもよくないですか?そこで私がたどり着いた方法は、複数の木を見て、森にする方法です。森も木が三つで成り立ってます(漢字的にはですが…)
木の近くの木を探せ
ここでポイントは、木の近くの木を探すのです。木と木が近くにないと、木のままですよね。
何を言ってんだこいつは‼ と思いますよねw
私が言いたいのは、目の前の業務に関連する知識を増やすこと。具体的には、調書には書いてないが、書いてあることとリンクする知識を増やす。目の前の業務の知識の幅を広げ、目の前の業務がどのような位置にあるのかを知ることで、森を見る視点に立てていると勝手に思っています。
関係ないことをなんでもかんで勉強するのは、非効率だし、すぐに忘れてしまうと思います。ただでさえ、1年目は初めてのことしかないので、色々と大変なはず。だから、今自分が関係していることとリンクする勉強をすることが質問の回答です。
木は、本から探せ
でも、調書に書いていないのに、どうやって関連する知識を探すのか。それは、調書に書いてあることと関係ありそうな本を買って、関連論点を探すのです。
書いてないことを探すのは確かに難しいと思うので、先人の知恵を利用するのです。ありがたいことに、多くの会計の本は、論点毎に書かれていることが多いので、探しやすいと思います。また、会計に関わる本だけではなく、関連している本であればなんでもいいのです。
例えば
1年目だと、ほとんどの人が現預金の科目を担当すると思います。それを例にすると、会社が使っているメインバンクはわかりますか?じゃあ、使っていないメガバンクはわかりますか?
わからなければ、『業界地図』をみて確認してください。銀行の規模や過去の再編など新たな知識が得られます。
他にも、なぜその銀行を使っているんだろうとか、使っていない銀行があれば、なんで使ってないんだろうとか考えてみるのもいいと思います。会社の近くの銀行だからかもしれませんし、設立当初の場所の近くの銀行だったかもしれません。これは、答えを知ることができない話ですが、思考を広げるという意味ではいいと思っています。で、例えば、出張に行ったとき経理の人に雑談ベースで聞いて見るとかも面白いかもしれません。
そんな感じで、知識の幅を広げた上で、調書の判断をすると、その判断はほんの少し上から見えていると思います。
読むページは少ない方がいい
読む時のポイントですが、読むページは、その時点で関連しそうだなと思う、1ページか2ページだけでいいです。
数ページと言わず、もっと読めばと言われそうですが、そもそもの目的は、ほんの少し高い視点を得ることです。関連論点探しは、やろうと思えば、無限に時間をかけることができちゃいます。でも他にもやらなければならないことが一杯あるので、関連論点探しに多くの時間を費やしている暇はありません。自分の中で、調書の情報と関連論点の情報の関係がリンクすれば、即次に行く必要があるので、むしろ少ないページ数の方がいいのです。
また、その他のページは読まないの?それだけのために買うのもったいないと思うかもしれませんが、
まったく勿体なくありません。
本読んだけど、何書いてあったか覚えていないという経験を多くの人がしているのではないでしょうか?1ページ、2ページでも、意味があった時点で、その本の価値は中身を思い出せない本とは比べ物にならないぐらい価値があると思っています。また、上記の関連論点探しを継続している限り、その他のページも必ず見にくることになります。なので、本を買うことは全く勿体なくないのです。
受験勉強時代に勉強していない論点を勉強
ただ、受験時代に完全に勉強していない論点で、監査上必要な知識があります。そのような論点は、上記のように関連ページだけちょろっとだけでは対応ができません。そのため、一回グッと知識を入れる必要があります。
1年目でやるべきと思っているのは、人件費です。当然他にも勉強しなきゃいけない論点はあるのですが、1年目だとするとこれかなと。
うんで、勉強するのにおすすめは、新日本からでている『人件費をめぐる会計処理と税務』です。
とにかく、人件費は関連する制度は多いため、まとめくれているこの本は、ありがたかった。制度を知らないと、未払人件費の分析ができないと思います。またこの本は人件費に関連する税務論点の記載もあるため、勉強になり、知識を広げられます。
おそらく、1年目に人件費のウォークスルーを実施すると思いますが、できればその前に制度の概要ぐらいは学習しておいた方がいいと思います。
”税金”は関連論点探しで勉強するのがいい
税金も受験時代勉強していないことがたくさんあるので、ぐっと勉強したくなるのですが、税金に関しても、関連しそうな論点探しで勉強する方がいいと思っています。なぜなら、税金は範囲が広いため勉強するとなると膨大な勉強時間を要しちゃうからです。他にもやること一杯な会計士1年目は、関連論点でつまみ食い勉強が一番効率的です。
ちなみに、税金は、『税務インデックス』がいいですよ。ちょっと調べるにはうってつけです。軽くて、持ち運びも可能。
是非。