の疑問にお答えいたします。
この記事の目次
会計士と気象予報士のダブルライセンスってどうなの?
結論はこちら。
「気象予報士」は、「気候変動時代」を有利に生きていくために必要となる知識の幅を広げ、クライアントからの信頼をより高めてくれる資格
なに言っているの?
となりそうですが、簡単に言うと、
クライアント、ひいては社会が求めている会計士に近づく資格
かな。
「気候」に関する知識の必要性
なんで、いきなり、気象予報士?と思った方が多いと思います。
しかも、知識の幅を広げるためって。。。ただの趣味じゃん‼
まーそうなんですが、そうとも言っていられない現実が。
2021年6月のCGコード改定に伴い、「気候変動リスク」の開示がプライム市場では義務化
これからの世の中「気候」に関する知識は会計士ではなく、社会人として必須になるでしょう。
つまり今後は、クライアントからも一般教養として「気候」に関する知識を求められてくると思います。
2021年の現状だと、多くの企業が、「気候」については有価証券報告書には、事業上のリスクに少し記載がなされている程度ですが、統合報告書やHPで「気候」に関する情報をより詳しく開示しています。
(参考)金融庁が開示している好事例集(2021年)
今後、その内容が有価証券報告書に記載されてきた場合、会計士も「経理の状況」以外の箇所とは言え、記載内容についてしっかり理解する必要があります。
しかも、会計的にも、気候変動に関する見積りを加味する必要性について検討する必要があるので、「経理の状況」以外だからといって、すでに他人毎ではないのです。
つまり、「気候」に関する知識について、学んでおく必要があるということ。
「気象予報士」である必要性
「気象予報士」の勉強をしなくても、自分で本とか読んで勉強すればいいんじゃない?と思った方。
おっしゃる通りです。
「気候」について知見がある、または自分で「気候」について勉強できる人は、わざわざ取らなくてもいい資格だと思います。
ぶっちゃけると、「気象予報士」に受からなくてもいいとも思っています。
なぜなら目的は、「気候」に関する知識を得ることだから。
なんだけど、たぶん多くの人が、
じゃあ「気候」に関する本でも読んで見るか。ふーん・・・
で終わるのではないかと…
その場合には、「気象予報士」の資格勉強をおすすめします。
思い出してみてください、会計士試験を。
あんな膨大な量の情報をインプットし続けられた理由は、会計士試験という試験に合格するためですよね。
何度も答練を解いて、間違いをチェックし、アウトプットできるまで、答練を繰り返したことでしょう?
そう、資格試験は、アウトプットが前提で勉強するから、学ぶ意識に繋がりやすいのです。
そして何と言っても、資格試験は、ある程度体系づけられているので、勉強しやすいのがグッド。
「気象予報士」試験
究極受からなくてもいいと言われても、やるなら合格したいと思うのがさがでしょう。
会計士なら、あの会計士受験勉強を経験してきている以上、なおさらだと思います。
とはいいつつも、合格を目的に、会計士が仕事の隙間時間でやっていくとなると、1年は見込んでおいた方がいいと思います。
試験は1月と8月の年に2回。合格率は約5%。
受験者数(人) | 合格者(人) | 合格率 | |
第57回(2022年1月) | 3,629 | 177 | 4.8% |
第56回(2021年8月) | 2,920 | 124 | 4.2% |
第55回(2021年1月) | 2,616 | 146 | 5.5% |
第54回(2020年8月) | 2,848 | 166 | 5.8% |
第53回(2020年1月) | 2,969 | 172 | 5.7% |
【試験科目・形式】
科目 | 形式 | 合格ライン | 時間 | |
学科試験 | 予報業務に関する⼀般知識 | マークシート | 15問中11問以上 | 60分 |
予報業務に関する専門知識 | マークシート | 15問中11問以上 | 60分 | |
実技試験 | 第1部 | 記述式 | 7問中70%以上 | 75分 |
第2部 | 記述式 | 75分 |
試験は1日で終了。
学科試験と実技試験両方合格で、「気象予報士」の資格獲得。ちなみに、学科試験合格者は、1年間学科試験が免除。
会計士試験の短答式と論文みたいに、マークシートと記述で分かれてます。
記述式といっても、会計士試験の企業法ほど書く量はなく、多くても45字程度。
試験の詳細は、一般財団法人気象業務センターのHPをご覧ください。
「気象予報士」勉強法
じゃあ、どうやって勉強するのか。
社会人としては、なにより効率性を重視するので、完全なる独学は選択肢としてないはず。
そこで選択肢を、3つぐらいご紹介。
スクール | 金額(円) | 特徴 |
ユーキャン | 69,000 | 最低限の勉強が可能 |
気象予報士アカデミー | 143,000 | 会計士受験と同じような、授業受けて・復習するスタイルで勉強可能 |
藤田真司の気象予報士塾 | 204,000 | 支払った半額返金される、合格お祝い金制度あり |
ユーキャン
ユーキャンは、テキストが送られてくるので、それを自分で読んで、問題を解いていくスタイル。
自分で読み進めていきたいなら、ユーキャン。
ユーキャンはテキストが分かりやすいので初学者には非常に定評ある一方、本当に最低限の部分のみ勉強する感じ。
だから、合格をしたい場合には、自分なりにその他にも学んでいく必要あり。
ただ、別に合格しなくてもよく、「気候」という知識を手っ取り早く得たいという方は、ユーキャンがおすすめ。
一番安価で、自分で勉強していくスタイルなので、最速で知識を得ることができる。
会計試験と同じように、授業を受け・そこから復習していたら、時間は倍以上かかると思います。
自分で、読んで、分らないところを質問していく方が、仕事をしている人が素早く勉強するには効率的。
つまり、「知識」を得るという目的に一番合致しているのが、ユーキャンのテキストをなるはやで、マスターすること。
ユーキャン
気象予報士アカデミー
会計士受験と同じように、授業を受けて、勉強していくスタイルがいい場合は、気象予報士アカデミーか、藤田真司の気象予報塾をどうぞ。
気象予報士アカデミーは、週に1回あるリアルタイムの授業を受講していくスタイル。もちろん録画をあとで受講することは可能。
ただし、指定教材や資料の印刷が必要になるのは、少し手間かなと。
講師は、講師歴15年越えの飯沼孝さん。合格者多数輩出とのこと(HP情報)
この方、AKB48の武藤十夢さん(@tommuto1125)を約5年にわたりサポートし、気象予報士の合格に導いた先生。
気象予報士アカデミー公式Youtubeチャンネルで、すこしだけ講義が見られるので、こちらも参考に。
気象予報士アカデミー
藤田真司の気象予報士塾
藤田真司の気象予報士塾は、全ての授業をいつでも見ることができるので、授業を受けながら、どんどん進めていきたい人はこっちかな。
そしてなにより、合格を目的としているなら、合格お祝い金制度(半額が返金)があるので、断然こっち。やる気がちがうでしょう。
実技試験対策講座受講後、1年内に開催される試験(2回)以内に合格すること。合格お祝い金制度については、詳細はこちらのHP参照。
仮に、合格お祝い金があった場合は、気象予報士アカデミーより安価になります。
そしてなにより、どんなに質問しても、藤田さんが回答してくれます。
疑問をどんどん解消しながら、自分のペースで勉強できるから、社会人的には最適かと。
なにより個人的に最大のポイントは、当塾の毎年の合格率を開示している点。その他はHPを見ている限り開示なし。
第57回は27名(合格者全体177名)
合格者がいる塾であれば、いつかは合格できる塾だと私は思っているので、本当に合格したい方は、こちらを是非。
藤田真司の気象予報士塾
「気象予報士」以外の勉強方法ってないの?
う~ん、でも、さすがにそこまで時間・お金かけられないよと思った方。
その場合には、アプトプットがある勉強法という点で、大学受験の「地理」を学んでみるのも手です。
なぜ「地理」?と思った方。地理って、地図を覚えるだけじゃないですからねw
地理は、「気候」という視点で各地域の違いを把握して、その地域で起こっていることを理解することもします。
なので、「地理」って気候と密接に結びついているんですよ。
その地域で発展した産業が実は「気候」が理由っていうことも沢山あります。
なので、「地理」を隙間時間に学ぶことで、「気候」も学べます。
2022年4月から「地理総合」が高校の必須科目になりますが、すでに会計士の方で大学受験で「地理」を選択していた人達って少ないと思います。私もその一人です。
そんな時は、恥ずかしがらず、スタディサプリで「地理」を学ぶのも1つです。
センター試験の問題を解きながら、必要な知識を講義していく形式。
私が勉強した時は、第4講~第7講までが「気候」関連でした。
第4講 天体としての地球
第5講 大気の大循環・風系の移動
第6講 季節風・東岸と西岸の気候
第7講 海流・土壌・植生
この箇所だけ勉強するってのもありだと思います。
ただ、「気候」って明確に区分できないので、その他の講義でも、「気候」が絡むことはご承知おきください。
その他の講義も、人口のことや資源エネルギー・発電、経済地理とか、社会人になってから学ぶと面白いと思えること一杯です。
あと、講義をしてくれる”たつじん先生”の関西弁が癖になりますw
月額1,980円ですが、14日間は無料なので、どんなもんか見てみてください。
その14日間ですべて見るのはさすがに厳しいので、1~2ヶ月で全部見るという方法もありかも。
あと「地理」について、最強の2冊を紹介している、こちらもどうぞ。
最後に
最初に伝えている通り、ぶっちゃけ、会計士が「気象予報士」の試験に合格する必要はないと思っています。
とは言いつつも、「気候」についてきちんと学びたくても、学びにくいし、ただ本を読むだけでは結局時間がかかるのは事実。
そんな時には、資格を利用して勉強するのが効率的だと思っているので紹介しました。
でも、この記事をきっかけに、「気候」にすこしでも興味をもってもらえれば十分かな。
「気候」のことを考えると、必然的に地球全体のことを考えるようになります。
自分の住んでいる「宇宙船地球号」がどうなっちゃうんだろうと。
資格勉強は会計士でこりごりという方も、本当に何でもいいので、「気候」に関する本を読んで見てください。
図や写真が多めで、難しい言葉も使われてなく、非常にわかりやすく、かつ、まんべんなく書いてくれている本を1冊紹介しておきますね。
これを機に、「気候変動時代」にあった勉強をしてみてはいかがでしょうか。
(関連リンク)