簿記ってそもそも、なんなんですか?
『簿記』とは、帳簿に記録するを略した言葉です。
・・・
いや、言葉の意味は分かったけど、それがなんなんだよ‼ となりますわね。
ちゃんと、解説します。
「帳簿に記録する」という定義から浮かび上がる2つの疑問を考えると見えてきます。
- そもそも帳簿に記録する理由ってなんなの?
- どうやって記録するの?
Q1:そもそも帳簿に記録する理由はなんなの?
これは、下の2つの質問に回答するためです。
- 今いくらありますか?
- 今年はいくら稼ぎましたか?
みなさん、この質問に即答できますか? ・・・
難しくないですか?少なくとも私は…会計士ですが、そんなもんですよ、自分のこととなるとねw
だって今お財布にいくら入ってますか?なんて答えられなくないですか?
あと、例えば、大学生が今年バイト代いくら稼いだ?って聞かれても、まー、たぶんこれぐらいじゃね程度の回答しかできないですよね。バイト色々変えちゃってたりしたら尚更難問。
でも、企業はちゃんとこの質問に答えられるようにしておかなきゃいけないんです。
ちゃんとそれぞれの質問に答えられるように、企業が作成しているものが、貸借対照表と損益計算書です。
- 今いくらありますか ⇒ 貸借対照表(B/S Balance Sheetの略)
- 今年はいくら稼ぎましたか? ⇒ 損益計算書(P/L Profit and Lossの略)
いきなり、B/S・PL?となったかもしれないですが、今は、B/S・P/Lというものがあるんだなぁ程度でいいです。
意味としては、ある一時点の残高を現わしているのがB/S、1年間など一定の期間に生じた取引の結果(累計)を現わしているのがP/Lと理解しておけばいいです。
それを、簿記の世界では、ストックとフローと言ったりします。
Q2:どうやって記録するの?
どうやって記録するの?という2つ目の答えですが、答えは、仕訳を切って記録するです。
仕訳を切る・・・?
仕訳を切るってどういうことって思いますよね。
それは、 「仕訳を切る」=「左右に分ける」 という意味です。
だから、左右にわけるってどういう意味だよとなりますが、
文字通り、左と右に分けるのです。
これは、例を見た方がわかりやすいです。
例:ノートパソコンを10万円で買った |
大学入学したから、バイト代で、パソコンを買おうとしている人を想像してください(どんなバイトでも10万稼ぐのは、なかなか大変ですが…)。
で、このパソコンを10万円で買ったという取引には、2つの動きが含まれています。
- お金を払った ⇒ 自分のお金が減った
- パソコンを手に入れた ⇒ 自分の所有物が増えた
簿記では、この減った、増えたを現わす方法として、左右を使うのです。
そして、この2つの行為を左右に分けるとこうなります。
左 | 右 | ||
(借方)パソコン | 10万円 | (貸方)現金 | 10万円 |
これが仕訳です。今は、どっちが左で、どっちが右とか、気にしなくていいです。
ここで理解して欲しいのは、仕訳を切るとは、「一つの取引を2つの側面からとらえ、左右に分けることで、増減を表現している」と理解ください。
急に、借方、貸方という言葉が出て来てますが、簿記の世界では、左を借方(かりかた)、右を貸方(かしかた)と呼んでいます。
まとめ
最後に、今回のポイントをまとめときましょう。
- 簿記とは、帳簿に記録すること
- 帳簿に記録するとは、今いくらあるか(ストック)、今年いくら稼いだか(フロー)を答えられるようにするため
- 記録する方法は、取引を左右(貸借)にわけて、増減させる、仕訳を切ることで記録していく