【DX Selection2022】選ばれしDX推進企業ってどんな企業?【優良事例選定】(中編)


DX Selection2022で選ばれた中小企業って、どんな企業で、どんなDXを推進しているのか紹介しています。

こんな方におすすめ

・最近DXで活躍している企業を知りたい方
・「DX Selection2022」ってなにか知りたい方
・中小企業のDXって、どんなことしているのか知りたい方

 

注意

本記事には、Kazuの解釈が含まれている点ご承知おきください。

「DX セレクション」って何?

DX セレクションは、一言で言うと、

中堅・中小企業が実践しているDXの優良事例を発掘するためのセレクション

です。

もともと、上場企業については、「DX銘柄」というセレクションがあるのですが、

DX銘柄企業は、大企業ばかり

多くの企業は、非上場の中小企業であり、DXが身近に感じられにくい可能性がある

ということで、地域内または業種内におけるDXへの取組活性化のために、中小企業にフォーカスをしたセレクションを実施しているのです。

【DX Selection2022】に選ばれし企業達

DX Selection2022に選ばれた企業は、全部で16社。

内訳は、グランプリ:1社、準グランプリ:2社、審査員特別賞:1社、優良事例選定:12社

今回の記事で紹介するのは、優良事例選定企業の4社

気になる企業だけもどうぞ。

【本記事紹介企業(4社/全12社)】
※Noは、前編からの続きになります

No都道府県企業名推薦ラボ
5新潟県テック長沢柏崎市IoT推薦ラボ
6富山県新日本コンサルタント富山市IoT推薦ラボ
7岐阜県樋口製作所各務原市IoT推薦ラボ
8愛媛県西機電装新居浜市IoT推薦ラボ

【グランプリ】

都道府県企業名推薦ラボ
大阪府山本金属製作所八尾ローカルナレッジシェア推薦ラボ

【準グランプリ】

群馬県日東電機製作所群馬県IoT・AI推薦研究会
福岡県リョーワ北九州市IoT推薦ラボ

【審査員特別賞】

青森県もりやま園青森県IoT推薦ラボ

【優良事例選定】

No都道府県企業名推薦ラボ
1北海道アイビック食品札幌IoTイノベーション推薦コンソーシアム
2秋田県秋田酒類製造秋田県IoT推薦ラボ
3東京都丸秀山形県IoT推薦ラボ
4東京都スマートホテルソリューションズ白山市IoT推薦ラボ
5新潟県テック長沢柏崎市IoT推薦ラボ
6富山県新日本コンサルタント富山市IoT推薦ラボ
7岐阜県樋口製作所各務原市IoT推薦ラボ
8愛媛県西機電装新居浜市IoT推薦ラボ
9高知県四国情報管理センター高知県IoT推薦ラボ
10佐賀県セイブ佐賀県IoT推薦ラボ
11鹿児島県藤田ワークス鹿児島県IoT推薦ラボ
12沖縄県okicom恩納村IoT推薦協議会

DX Selection2022について、選ばれた企業に関する要約レポートが開示されています。

「DXセレクション2022」選定企業レポート

で、正直このレポートだけだと、具体的に何やっているんだかよくわからないと思います。

今回紹介する【優良事例選定】企業は、開示情報が要約レポートのみ。

なので、レポート以外でネットを中心に把握できたものは書いてみましたが、限界が…w。

とういうことで、本記事は取組内容というより、どんな企業が選ばれているのか知りたい方向けの記事かも

取組内容を知りたい方は、グランプリ・準グランプリ・審査員特別賞の4社は、レポート以外に、取組に関する動画が配信されているので、そちらを見るか、↓の記事をどうぞ。

中小企業のDX事例は、「中堅・中小企業等向け デジタルガバナンス・コードの実践の手引き」でも紹介されています。

DXの内容を知りたい方は、こちらの記事をどうぞ。

【本記事以外の優良事例選定企業】
(No1~4)

(No9~12)

 

No5:テック長沢(機械・部品製造業)

会社概要

社名株式会社テック長沢
SNSFacebook
本店所在地新潟県柏崎市
業種機械・部品製造業
創業1963年
従業員170名

テック長沢さんは、切削加工技術をつかって、自動車、エネルギー、半導体など幅広い産業用設備の異形の精密部品を製造している会社。

メインの取引先は、リケンさん、日産自動車さん、不二越さん、三菱電機さん、昭和電工さんなど。

そして、自社の開発商品もあります。「電動ねじゲージ」。ねじ穴の検査器具で、トヨタの工場にも導入されているという。

DX対応

課題・目的取組
・経営者をトップとした、部門横断的にDXを推進したい・Tec Nagasawa DX Visionとして、
「テック長沢は、あらゆる業務プロセスに、デジタル技術やデータ分析を取り込むことによって「マネジメントの改革」「技術力のダントツ向上」を実現し、生産性を向上させ、経営理念の追求に寄与する」と設定
・製造現場とマネジメントに変革を起こしたい・Webアプリケーション、製造現場のIoT、基幹システムのカスタマイズ、SaaSの積極活用
・ノーコードで自社開発したタレントマネジメントシステムに、SaaSのタスク管理ツール、動画マニュアルを連携させて、教育訓練のPDCA全てにデジタルを活用した仕組みを構築

テック長沢さんは製造業、やはり技術が重要な世界。しかし多くの匠が、年齢に基づき引退していくとともに、匠の技術が伝承されずに、失われていっているというのです。

そこで、伝承作業のために取り入れたのが、研修動画システムTebiki

このTebikiは、シンプルな使用が決定打になったようだ。そして、自動翻訳機能もついているすぐれもの。

手引書など、ExcelやWordで作成した時期もあったようですが、管理するのも大変だし、みんな見ないという。

同じ悩みを抱えている企業は多いような気がするので、そんな企業は、動画マニュアルを検討してもいいのかもしれませんね。

プラスα

テック長沢さんの社長は、2016年に柏崎市で約190年続く味噌醤油の醸造元、「越後みそ西」の代表に就任しています。

実は社長の奥さんのご実家だそうで、当時事業が順調ではなかったようで、事業再建の相談を受けて、就任。

いまでは、柏崎市内と弥彦に直売店舗をもつほどに。

「越後みそ西」の看板商品、創業当時より100年以上現役の杉の大木桶で仕込む味噌、「三階節みそ」はこちら。

No5:新日本コンサルタント(建設業)

会社概要

社名株式会社新日本コンサルタント
SNSFacebook
動画YouTube
本店所在地富山県富山市
業種建設業
設立年1944年
従業員数(グループ全体)368名(2022年4月時点)

新日本コンサルタントさんは、富山を中心とした、インフラ建設のコンサルティング会社。

建設自体はやらず、その前段階の、図面作成までを実施している。

・交通インフラ(道路、橋、バス交通)
・生活インフラ(下水道、上水道)
・防災インフラ(河川堤防、砂防、雨水の貯留施設)

例えば、富山の富岩運河環水公園 見晴らしの丘 の設計をしたりしています。

DX対応

課題・目的取組
・インフラコンサルの技術力を、DXを活用してさらに向上させ、サービスを提供したい・インフラコンサルにおけるDXサービスの展開
道路DX、治水DX、インフラ管理DX、点検サーベイDX、下水道DX、棟梁DX、まちづくりDX、森林DX

新日本コンサルタントさんがやってきたインフラコンサルで、DXを導入できるところは徹底的に導入しているみたい。。。

道路DXサービスとして、道路維持管理クラウドサービス「みちクラ」がある。

このクラウドサービスは、モバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC)が開催している、「MCPC award 2021」の奨励賞を受賞したサービス。

ちなみに、このMCPC awardには、NTTドコモ、KDDI、富士通など、名だたる企業も参加しています。

「みちクラ」は、道路維持管理業務のためのクラウドサービスで、パトロール作業や、住民からの苦情・要望対応効率化するサービス

パトロール作業

パトロールで異状を見つけたら、スマホで現場の写真、位置、状況を記録パトロール日誌は自動で作成可能に。
今までは、事務所に戻ってパトロール日誌を作成していたが、その必要はなくなる。

住民からの苦情・要望対応

住民からの苦情・要望も、クラウド上で位置を特定→現場でスマホで記録→修繕者にメールを送信。
情報がクラウドサービスに一元管理されるので、位置情報画面で検索もでき、修繕対応状況も一目で把握可能。

今までは、紙の地図で位置を特定→対応部署にその紙かFAXで依頼→現場確認・報告→修繕業者に連絡・見積り→対応状況確認をしていたが、一元管理されたデータでみんながつながり、無駄な確認がなくなる。



単純に聞いただけでも、相当無駄がなくなるサービスな気がしますね。

プラスα

新日本コンサルタントが提供するDX、まだまだあります。

治水DX、「水(み)まもり」。

こちらは、AIによる排水路の水位を予測するシステム。

ゲリラ豪雨などにより局所的に水位が上昇する可能性を、AIにより10分後の推移を予測し、危険を知らせることができるサービス。

そしてなにより、現地測量、管理路網のモデル化、リアルタイム解析ソフトウェアも不要なため、導入コストを大幅にダウンさせるができたようで、予算の厳しい自治体でも導入が可能に。

新日本コンサルタントさんの2つのサービスを紹介しましたが、本当にインフラに関するサービス、特に自治体で困っているためのサービスを提供している会社さんですね。

頭がさがります。

富山県に新日本コンサルタントあり。

No3:樋口製作所(輸送用機械器具製造業)

会社概要

社名株式会社樋口製作所
SNSFacebook / Twitter
本店所在地岐阜県各務原市
業種輸送機械器具製造業
設立年1937年創業
従業員数498名

樋口製作所さんは、自動車(4輪・2輪)の安全を支える部品(シートベルト、エアバック関連等)を中心とした部品メーカー。

自動車市場といえばアメリカ・中国。

樋口製作所さんも、当然アメリカ、メキシコ、中国の3拠点に工場を持っています。完全グローバル企業。

もっと詳しく企業のことを知りたい方。こちらをどうぞ。

就活生用の説明動画ですが、わかりやすく説明してくれています。

DX対応

課題・目的取組
・グローバル市場の拡大により更なる競争激化時代に必要とされる企業を目指す・全部門とのデータ共有を可能とする「社内プラットフォーム」を自社開発
・製造工程に詳しい人材とITエンジニアを集めた「ブリッジエンジニア」チームを組成し、使えるアプリ開発とデジタル人材の育成
・過去のトラブルに対する原因、対策そして評価を学習させる「AI技術伝承システム」を開発

樋口製作所さんは、デジタル化を進める障壁は、

製造現場の管理者は、デジタル技術の活用方法が分からず、システム開発の担当者は、現場の困り事が分からない。つまり、問題を抱えているところと問題を解決するところが全くつながっていない。

2021年版ものづくり白書

と考えたようだ。

そこで、製造工程に詳しい人材とITエンジニアを集めた「ブリッジエンジニア」チームを組成するという発想になったという。

プラスα

皆さん「深絞り」って知ってます?

何を隠そう、樋口製作所さんは、「深絞り」を得意とする加工屋さん。

深絞り?という方。

絵を見た方が分かりやすいので、加藤製作所さんのHPを載せておきます。

いや~、まじで、まったく知らないことだらけですわ(汗)

プレス加工、奥がふけ~…

No8:西機電装(製造業)

会社概要

社名西機電装株式会社
SNSFacebook
動画サイトYouTube
本店所在地愛媛県新居浜市
業種製造業
設立年1983年
従業員数51名

西機電装さんは、大型クレーンや産業機器に関する制御盤メーカー。

大型クレーンって、造船所にある、ジブクレーンやゴライアスクレーン(門型の移動式クレーン)という、超特大のクレーンに関する電気室の制御盤にも対応している。

ちなみに、ジブクレーンとゴライアスクレーンは西機電装さんの製品紹介HPに写真があります。

ゴッツイです。

DX対応

課題・目的取組
・設計時の仕様変更が多いにも関わらず、適切な情報共有ができず、製造工程のやり直しが多発、品質維持にも悪影響が。・自社でプログラミングすれば短期間でシステム開発可能な「kintone」を導入
・製造現場で「kintone」へのアクセスをしてもらいたい・PCを使うことなく、ICカードやQRコードで簡単に「kintone」へアクセス可能なIoTデバイスを試作
・地域全体でDXをすすめたい自己解決型のDX・新居浜IoT推進ラボさんとサイボウズ社さんと連携して、ワークショップを開催
→効率化システムのコンサル業務を提供

準グランプリを受賞した、日東電機製作所さんも、制御盤メーカー。

制御盤って、基本すべてオーダーメード。つまり、毎回異なる作業が発生するのです。

でも、DX化できる箇所はあり、実際それを愚直に実施した企業が2社も受賞しているわけです。

DXは同じようにやってもうまくいかない可能性はありますが、ちょっとでもヒントになる点があればいいですよね。

日東電気製作所さんの記事はこちらをどうぞ。

プラスα

西機電装さんの工場の中が紹介されてる動画があったので、リンク貼っておきます。

セレクションレポートには記載がなかったですが、ロボットが溶接しているシーンもでてきます。

2020年の動画ですが、すでにロボットは導入済みですね。

あと、小ネタですが、こんなものまで作っているだと思ったやつ。

美術家ユニットKOSUGE1-16として活動している美術家土谷享さんとコラボして、UFOキャッチャーを作ってますw

その制作過程の動画

2分程度の動画が9本もありますが、その9に、なんと、あの東京フレ〇ドパークのアトラクション、フラッシュザウ〇スを彷彿させるようなものまで作ってましたw

ライトの光るスピードを、西機電装さんの制御盤でコントロールできるという。ちょっとおもしろい。

最後に

こうやって、DX企業を調べていると色々なことを考えさせられるのですが、調べているとだんだんその企業に愛着が湧いてくるんですよね。

そうすると、実際その会社に入ってみたくなるんですよねぇ~。

なので、皆さんも気になった企業は、自分で調べてみるのもありかも。勿論それだけで、転職するのは危険ですが、直接話を聞いてみるのも1つ。

また、DXに取り組んでいる企業は、まだまだというか、これからどんどん増えていくと思います。

DX Selectionで紹介する企業は地方が多いので、自分の住んでいる近くのDX企業について知りたい方は、転職サイトのDXに詳しい人に話を聞くという方法もあり。

情報を知りたいだけでも、利用しない手はないと思いますよ。

一度聞いて見てはいかが。

関連リンク