【簿記3級・独学】商品を売った時の仕訳(現金取引・掛け取引・手付金)

商品を売った時の仕訳(現金取引・掛け取引・手付金)

今回は、”商品を売った時”にはどんな仕訳になるか見ていきます。

その中でも、「現金取引・掛け取引・手付金」について解説します。

えっ‼現金取引?

と思った方。安心してください。この記事を見ればすぐわかるようになるので、大丈夫です。

では、さっそく問題を見ていきましょう。

問題

以下の取引を仕訳しなさい。

  1. K株式会社は、商品を1,000円で販売し、現金1,000円を受け取った
  2. A株式会社は、商品を500,000円で販売し、代金は掛けとした
  3. A株式会社は、商品500,000円の注文を受け、手付金として現金100,000円を受け取った
  4. A株式会社は、商品を500,000円で販売し、すでに受け取っている手付金100,000円との差額400,000円を掛けとした

※K株式会社・A株式会社は架空の会社です。
※問題文は、簿記3級の出題形式に似せて、Kazuが勝手に考えて作っています。

えっ‼ いきなり問題?

とまたもや思った方。安心してください。問題を解く方が、むしろ仕訳をイメージしやすいので、さっさと問題に触れるのがベストなのです。

ということで、見ていきましょう。

注意

問題文を見て仕訳がわかる方は、本記事を読まなくてOK。

(解答)

問題 借方 貸方
現金 1,000円 売上 1,000円
売掛金 100,000円 売上 100,000円
現金 100,000円 前払金 100,000円
売掛金 400,000円 売上 500,000円
前払金 100,000円

1:現金取引

問題①

以下の取引を仕訳しなさい。
K株式会社は、商品を1,000円で販売し、現金1,000円を受け取った。

問題文を見て考えなけれならないポイントは3つ

ポイント
  1. どんな取引?
  2. 仕訳は?
  3. BSとPLはどうなるの?

では、まずどんな取引か、見ていきましょう。

1:どんな取引?

問題文をもう一度みてください。

K株式会社は、商品を1,000円で販売し、現金1,000円を受け取った

簿記3級の出題形式に似せて書いていますが、具体的なのは会社名ぐらいで何を売ったのかまでは問題文からはわかりません。

なので問題を読む時は、具体的にイメージするとGood

前置きはこれぐらいにして、問題①をイメージするのは簡単ですね。スーパーで野菜を買う時をイメージしてください。その時、現金で支払ったと思えばいいんです。

ただし、スーパー側の視点で考えます。なぜなら、野菜を売っているのはスーパーだから。

そうすると、スーパーのレジのおばちゃんが、野菜を皆さんに渡して、現金1,000円を受け取っているところをイメージできればOK。

2:仕訳は?

では、仕訳を切ってみましょう。

と言われても、どうやって考えればいいの?となりますよね。そんな時は、仕訳で何を現わしたいかを考えます。

具体的には、取引の前と後で生じた2つの「変化」を考えるとわかりやすいと思います。

ポイントは2つということ。「仕訳を切る」=「左右に分ける」でしたね。そう、左・右は2つですね。だから2つの変化を考えるのです。

では、実際に今回の取引で何を現わしたいのか。

  1. 現金を受け取ったこと
  2. 野菜を販売したこと

「変化」が生じているのがわかりますかね。

Before After
現金を持っていない 現金をもっている
野菜を在庫として持っている 野菜をお客様に販売した

そしてこれを仕訳で表現すると、こうなります。

借方 金額 貸方 金額
現金 1,000円 売上 1,000円

あと仕訳を切る際に大事なことが一つ、貸借は必ず一致するということ。今回の場合は、借方・貸方両方1,000円で同じ金額どうしになっていますね。

これはすごく大事なことで、貸借を一致させて一本一本の仕訳を切るから、BS・PLの貸借も一致する関係にあります。

では、一つ一つ見ていきましょう。

(答えを最初に見ていいの?と思った方へ)
大丈夫です。最初は仕訳ってどうやって切るのかチンプンカンプンだと思うので、まず答え見て、なんでこうなるのか考える方が大事
わかってくれば、自然と仕訳が切れるようになるので心配しなくてもOK。どんどん見ちゃってください。
そのかわり、考えてね。なんでこうなるのかな~って。

現金を受け取ったこと

野菜を売ったことで、現金1,000円を受け取っています。なので、会社の手元に1,000円があることを仕訳で現したいんです。

で、この仕訳を考える際には、最初は以下の手順に沿って考えるといいと思います。仕訳に慣れてきたら、ここのプロセスは飛ばしてOK。

仕訳を考える手順
  1.  BS・PLのどっち?
  2.  借方・貸方どっち?
  3. 「勘定科目」は何を使う?
①BS・PLのどっち?

簿記の世界では、必ずBS・PLのどこかに計上されます。

ならば、まずBS・PLのどっちか考えてみましょう。

どっちかを考えるには、BS・PLってなんのために作っているのか思い出せばいいんです。

  • 今いくらありますか?    ⇒BS
  • 今年はいくら稼ぎましたか? ⇒PL

でしたね。えっ、なにそれ?という方はこちらをチェック。

今手元に1,000円があることを現わしたいんでしたね。ということは、今(手元に)いくらありますか?の、BSです。

②借方・貸方のどっち?

会社が野菜を販売して手に入れたお金は、当然会社の財産ですよね。なので、現金=「資産」というのはイメージしやすいですかね。

自分のものをメルカリで売って手に入れたお金は、自分の財産(=資産)ですよね。それと同じです。

難しく考えずに、現金=「資産」がイメージできていればOK。「資産」なので借方になります。

(参考:BSの貸方と借方の意味から考える方法)

もう一つの考え方をご紹介。BSの貸方と借方には大きな意味がありました。借方は「運用」、貸方は「調達」でしたね。野菜を売って稼いだお金は、「運用(=野菜を販売)」の結果、手に入れたお金なので、「運用」の借方になり、借方は「資産」という風に考えることもできます。

とにかく自分が理解・イメージできればいいので、簡単な方でOK。

ちなみに、「運用」「調達」の話はこちらをチェック。

③「勘定科目」は何を使うの?

いままでBSは「資産・負債・純資産」の3つに区分されますよと言ってきましたが、ここで言っている「資産」というのはBSの借方の総称です。実際に仕訳を切るときはもっと具体的な名前を使います。

その名前のことを簿記の世界では「勘定科目」と言います。

そして、現金はその名の通り「現金」という勘定科目を使います(勘定科目は出てきた都度、覚えていけば大丈夫)。

仮に、資産に計上されるすべての勘定科目が、「資産」という勘定科目だったとしたら、色々な「資産」を持っていても「資産」の合計額しかわからず、非常にわかりにくいですよね。わかりやすくするために、具体的な勘定科目を使って分類するのです。

この3つが理解できればわかりますね。

野菜を売って手に入れた現金1,000円が手元にあることを仕訳にすると、借方「現金」1,000円になります。

野菜を販売したこと

では次に、野菜を販売したことを見ましょう。

イメージではK(株)はスーパーでしたね。野菜・魚・お肉などを売って稼いでいる会社ですが、今回は野菜を売ったことで1,000円稼いだと仕訳で現したいんです。

以下のプロセスに沿って考えていきましょう。

仕訳を考える手順
  1. BS・PLどっち?
  2. 借方・貸方どっち?
  3. 「勘定科目」は何を使う?
①BS・PLどっち?

「資産」の時と同じように、下の質問を思い出してみてください。

  • 今いくらありますか?    ⇒BS
  • 今年はいくら稼ぎましたか? ⇒PL

今回は野菜を売って、1,000円稼いだことを表現したいんでしたね。もうわかりますね。「いくら稼ぎましたか」のPLです。

②借方・貸方どっち?

PLの「貸方」と「借方」がどんなものだったか、思い出してもらえればわかります。

貸方は「稼いだお金」借方は「稼ぐために支払ったお金」、そして差額が「もうけ」です。

そして、そもそも「稼いだお金」のことを「収益」というんでしたね。なので、野菜を売って稼いだ1,000円は貸方の「収益」になります。

借方・貸方がわからなくなった人は下の表をチェック。

(参考) 借方 貸方
BS 資産 負債・純資産
PL 費用 収益
③勘定科目は何を使うの?

「資産」と同じで、「収益」というのはPLの貸方の総称のことで、その中でも商品を販売して稼いだお金のことは「売上」という科目を使います。

まー、「売上」という言葉はある程度一般的だと思うので、わかりやすいですかね。

この3つが理解できればわかりますね。

野菜を売って1,000円を稼いだことを仕訳にすると、貸方「売上」1,000円になります。

ここまで読んできて、PLについてもう一度確認したい方は、こちらの記事をチェック。

3:BS・PLはどうなるの?

現したいことを合わせると以下の仕訳になります。

借方 金額 貸方 金額
現金 1,000円 売上 1,000円

ただこの仕訳だけ見ていても、最終的にBS・PLでどうなっているのかイメージしずらいですよね。なので、最後にBS・PLはどうなっているのかを考えます。

この仕訳をBS・PLに記載するとこうなります。

これを見てイメージできますかね。

野菜を売って1,000円稼いだことをPLでは現わしていて、その稼ぎにより生み出された現金1,000円が今手元にある状態をBSで現わしています。ここまでイメージできればOK‼

2:掛け取引

問題②

以下の取引を仕訳しなさい。
A株式会社は、商品を500,000円で販売し、代金は掛けとした。

問題①と同様、3つのポイントを見ていきます。

ポイント
  1. どんな取引?
  2. 仕訳は?
  3. BSとPLはどうなるの?

1:どんな取引?

イメージする時のポイントは2つ。

  1. 会社間の取引
  2. 掛け取引

会社間の取引

いきなり金額が大きくなって、びっくりしたと思います(思わないか)。

問題1では会社と個人の取引をイメージしましたが、今回は、会社と会社の取引をイメージしてみてください

で、具体的なイメージとしては、農家であるA株式会社とスーパーであるK株式会社との取引をイメージしてみてください。

2:掛け取引

そしてもう一つ、いきなりでてきた言葉がありますね。「代金は掛けとした」です。

と言っても難しい話ではありません。「掛け取引」とは、後払いのこと

会社は取引をたーくさんするため、取引の都度請求するのは非常に大変なので、ある程度まとめて請求したいのです。

そこで、よくあるのは1ヶ月分の取引をまとめて、翌月に1ヶ月分の総額を支払ってもらうということをしているのです。

掛け取引が理解できれば、今回の問題をイメージできますね。

農家のA(株)が野菜をスーパーに500,000円で卸したが、その代金は1ヶ月後にまとめて払われることをイメージできればOK。

2:仕訳は?

では、問題①のように現金で受け取らず、掛け取引(後払い)で野菜を売ったことを仕訳で表現するとどうなるのか。

今回表現したいことは何か?

  1. 現金を後で受け取ること
  2. 野菜を販売したこと

この2つを仕訳で現わすとこうなります。

借方 金額 貸方 金額
売掛金 500,000円 売上 500,000円

現金を後で受け取ること

問題①と同じ手順で考えましょう。

仕訳を考える手順
  1.  BSとPLどっち?
  2.  借方・貸方どっち?
  3. 「勘定科目」は何を使う?
①BS・PLどっち?

BS・PLのどっちに該当するか考えるときは、下の質問を思い出すんでしたね。

  • 今いくらありますか?    ⇒BS
  • 今年はいくら稼ぎましたか? ⇒PL

今回農家さんが、野菜をスーパーに販売したことで受けとったものは何か。

問題①のように、現金は受け取っていません。ただ掛け取引なので、その現金を後で払ってもらいます。

この場合、農家さんは野菜を売ったことで、現金を後でもらう権利を受け取った、と考えるのです。

こう考えると、今手元に500,000円の現金はないですが、500,000円を受け取る権利を持っている状態ということになりますね。

今持っている権利の残高を仕訳で現わす必要があるということは、今いくらありますか?の、BSになります。

②借方・貸方どっち?

稼いだ(運用)結果として手に入れたお金は、自分の財産でしたね(問題①参照)。

それと同じで、「現金を受け取る権利」はただ後払いになっただけで、後でもらう現金は稼いだ結果受け取るお金であり、自分の財産に違いはありません。

なのでその権利も、「現金」と同様に、運用の結果を現わす「借方」の「資産」になります。

③「勘定科目」は何を使うの?

掛け取引で、あとで現金を受け取る権利のことを、簿記の世界では「売掛金(うりかけきん)」と言います。け取引で、ったおのことですね。

この3つが理解できればわかりますね。

野菜を売って現金500,000円を受け取る権利を持っていることを仕訳にすると、借方「売掛金」500,000円になります。

野菜を販売したこと

次に、野菜を売ったことで500,000円稼いだと仕訳で現したいんです。金額が変わっただけで問題①と同じですね。

なので、同じように考えてみてください。

仕訳を考える手順
  1.  BS・PLのどっち?
  2.  借方・貸方どっち?
  3. 「勘定科目」は何を使う?

結論は、貸方「売上」500,000円になります。わからなくなったら、問題①を再度チェック。

3:BS・PLはどうなるの?

現したいことを合わせると以下の仕訳になります。

借方 金額 貸方 金額
売掛金 500,000円 売上 500,000円

では、この仕訳をBS・PLに記載するとこうなります。

野菜を売って500,000円稼いだことをPLでは現わしていて、その稼ぎにより生み出された現金を受け取る権利である売掛金500,000円が今手元にある状態をBSで現わしています。

ここまでイメージできればOK‼

3:手付金

問題③

以下の取引を仕訳しなさい。
A株式会社は、商品500,000円の注文を受け、手付金として現金100,000円を受け取った。

問題①②と同様、3つのポイントを見ていきましょう。

ポイント
  1. どんな取引?
  2. 仕訳は?
  3. BSとPLはどうなるの?

1:どんな取引?

イメージする時のポイントは2つ。

  1. 「注文」と「販売」
  2. 「手付金」

「注文」と「販売」

一つ目のポイントは、「注文」と「販売」は同時に起きないことがあるということ。

スーパーで買い物するときは、レジで「これください」と言って「注文」して、スーパーはお金を払ってもらう代わりに商品を「販売」しています。

これは、「注文」と「販売」がほぼ同時に起こっているパターン。

ただ会社間の取引では、そんなすぐに商品を渡すことはできません。なぜなら、スーパーの買い物のように、買いたい商品を注文者が販売者に持っていくことはしないから。

その代わり持っていくものがあります。それは「注文書」です。レジで「これください」というのの代わり。

会社はたくさんの商品を注文します。そうすると、注文を受ける側も渡す商品や数を間違わないようにしなければなりません。そこで、注文する側と注文を受ける側の認識を合わせるために「注文書」が必要になるのです。

つまり、注文する側は、「注文書」を提示するだけで、商品を準備するのは注文を受けて販売する側です。

当然、準備する時間がかかるので「注文」と「販売」は同時に起きにくいのです。

「手付金」

またもや、新しい言葉がでてきましたね、2つ目のポイントは「手付金」です。

これも、あまり難しく考えることはありません。「手付金」とは、掛け取引の反対で、前払いのことです。

会社間の取引だと、取引金額が大きくなることがあります。でも会社も取引金額が大きくなると、本当に支払ってもらえるか心配になります。

(イメージしてみてください)

例えば、ハワイに行くことを友達に言ったら、友達にじゃあハワイで化粧品を買ってきて欲しいと言われて、買って来てあげたとします。そしたら、ありがとう、お金は一か月後に払うね。と言われているのと同じなのです、掛け取引というのは。友達だと、しょうがないなぁと思って我慢するかもしれないですが、気持ちとしては、えっ?一か月後?なんで?早く払ってほしいな。というか、本当に払ってくれるのかな…という気持ちになりませんか?

その気持ちは、会社も同じです。特に取引額が大きくなればなるほど、本当に払ってもらえるか心配になるのです。そこで、取引額の一部を先に払ってもらうことをしたりするのです。それが、「手付金」です。

で、具体的なイメージとしては、農家はスーパーから野菜の注文書を受け取ったが一部前払いして欲しいと依頼して、現金を受け取っている取引をイメージできればOK。

2:仕訳は?

では、今回現したいことは何か。

  1. 現金を受け取ったこと
  2. 野菜を後で販売しなければならないこと

これを仕訳にすると、こうなります。

借方 金額 貸方 金額
現金 100,000円 前受金 100,000円

現金を受け取ったこと

会社の手元に100,000円があることを仕訳で現したいんです。金額が変わっただけで、問題①と同じですね。

もうわかりますかね。

結論は、借方「現金」100,000円になります。わからなかったら、問題①を再度チェック。

野菜を後で販売しなければならないこと

今回は、一つ手順が増えています。それでは見ていきましょう。

仕訳を考える手順
  1.  BS・PLのどっち?
  2. 借方・貸方どっち?
  3. 負債・純資産どっち?
  4. 「勘定科目」は何を使うの?
①BS・PLどっち?

まずBS・PLのどっちに該当するか考えるときは、下の質問を思い出すんでしたね。

  • 今いくらありますか?    ⇒BS
  • 今年はいくら稼ぎましたか? ⇒PL

今回農家さんは、スーパーから注文を受けたと同時に、現金を受け取っています。でも、現金を受け取ったからといって、注文を受けた野菜を販売しなくていいわけありませんよね。

この場合どう考えるかというと、農家さんは現金を受け取ったが、それと同時に野菜を販売しなければならない義務を負ったと考えるのです。

こう考えると、今手元に100,000円の現金がありますが、野菜をこれから販売しなければならないという義務を同時に負っている状態ということになりますね。

つまり、今持っている義務の残高を仕訳で現わす必要があるということは、今いくらありますか?の、BSになります。

あるいは、まだ商品を販売していない以上、まだ稼いだわけではないということから、PLではない=BSという風に考えてもいいかもしれません。

②貸方・借方どっち?

ではBSの内、貸方と借方のどっちになるのか。

BSの借方と貸方には大きな意味があり、借方は「運用」、貸方は「調達」を意味しているんでしたね。

今回は、販売する前に現金をもらっていることから、販売する前にお金を「調達」したと考えることができますね。なので、貸方になるのです。

③負債・純資産のどっち?

そうすると、負債と純資産のどっちかということになります。

この違いは、自分の財産を引き渡す義務があるか否かでしたね。義務があれば「負債」、なければ「純資産」。

今回は説明したように、野菜を販売する義務を負っています。つまり、野菜(=自分の財産)を引き渡す義務があるので、「負債」ですね。

④「勘定科目」は何を使うの?

じゃあ、勘定科目は何を使うのか。それは、販売する前に受けたお金を意味する「前受金(まえうけきん)」です。これは、読んで字のごとく、けたおですね。覚えやすいですね。

この4つが理解できればわかりますね。

野菜を販売する前に、現金100,000円を受け取っていることを仕訳にすると、貸方「前受金」100,000円になります。

3:BS・PLはどうなるの?

仕訳はわかりましたね。今回はBSだけですが、BSがどうなっているのか確認しましょう。

借方 金額 貸方 金額
現金 100,000円 前受金 100,000円

このBSを見て何を現わしているかイメージできますか。

手元に現金100,000円があると同時に、野菜を販売する義務を負っていることを現わしていることがわかればOK。

4:掛け取引&手付金

問題③

以下の取引を仕訳しなさい。
A株式会社は、商品を500,000円で販売し、すでに受け取っている手付金100,000円との差額400,000円を掛けとした

いままでの問題と同様、3つのポイントを見ていきましょう。

ポイント
  1. どんな取引?
  2. 仕訳は?
  3. BSとPLはどうなるの?

1:どんな取引?

今回の問題は、問題③の続きなので、イメージしやすいですね。

「手付金」を受け取った後、農家がちゃんとスーパーに野菜を「掛け取引」で販売しているところをイメージできればOK。

あと論点である、「手付金」「掛け取引」は、すでに問題②と問題③で勉強済み。わからなければ焦らず、再度問題②と③を再チェック。

2:仕訳は?

すでに「手付金」を受け取っている状態で、野菜を「掛け取引」で販売したことを仕訳で表現するとどうなるのか。

こうなります。

借方 金額 貸方 金額
売掛金 400,000円 売上 500,000円
前受金 100,000円

今回は、500,000円分の野菜を渡してますが、現金100,000円はすでに受け取っていて、400,000円は後で払ってもらう取引です。

なので、「手付金」に関する100,000円の取引と「掛け取引」に関する400,000円の取引の2つの取引を実施したと考えてみるとわかりやすいです。

掛け取引

まず、400,000円の掛け取引について考えましょう。問題文を読みかえるとこうなりますね。

A株式会社は、商品を400,000円で販売し、代金は掛けとした。

そうすると、問題②と金額が違うだけで、全く同じですね。そうすると仕訳はこうなります。

借方 金額 貸方 金額
売掛金 400,000円 売上 400,000円

これはもうわかりますね。うん?と思う方は、問題②を再度チェック。

手付金

では次に、「手付金」について考えましょう。

今回は表現したことはこちら

  1. 義務から解放された
  2. 販売が完了した

義務から解放された

「手付金」は前払のことでしたね。なので野菜はまだ売っていないけど、すでに現金100,000円をもらっています。ただ、それと同時に野菜を販売する義務を負っていましたね。

今回は、この状態に変化が生じています。そうです、負っていた義務の通り野菜を販売したのです。

つまり、農家はその義務から”解放”されたわけです。やったね。

なので今回は、野菜を販売したことで義務から解放されたことを表現したいのです。

では、仕訳ではどう考えるかというと、野菜を販売しなければならない義務を現わしていた「前受金」がなくなったと考えるのです。

「前受金」は「負債」なので「負債」に計上するときは「貸方」に計上しましたが、今回は「前受金」がなくなるのです。

なくなることを仕訳で表現するときは、ホームポジションとは逆の貸借で仕訳を切ります。つまり「負債」のマイナスと考え、「貸方」とは逆の「借方」に「前受金」とするのです。

これは、BSをイメージするとわかります。

既に計上されていた「前受金」を取り崩していると考えてみてください。そうすると、貸借が同じになり、相殺すると負債はゼロになって、義務から解放されていることがわかりますね。

販売が完了したこと

実は、もう一つ変化していることがあります。何のために今回義務を負っていたかという、野菜を販売して稼ぐためですよね。

ただ、まだ野菜を渡していなくて、稼ぐことが完了していない状態だったわけです。当然稼ぐためにはちゃんと商品を渡さないと完了しませんね。

(想像してみてください)
お金を先に渡しているけど、まだ商品が届いていない状態を。商品を受け取ってこそ、取引は成り立つことはイメージできますね。

今回はとうとう野菜を渡したので、その販売が完了したという変化が生じているのです。つまり、義務をはたすことで販売が確定したということ。

これを仕訳で現すと、こうなります。

借方 金額 貸方 金額
前受金 100,000円 売上 100,000円

そして、「掛け金」と「手付金」の仕訳を組み合わせると、最初の仕訳と同じになります。

借方 金額 貸方 金額
売掛金 400,000円 売上 400,000円
前受金 100,000円 売上 100,000円

3:BS・PLはどうなるの?

では、いつも通りBS・PLがどうなっているのか確認しましょう。

借方 金額 貸方 金額
売掛金 400,000円 売上 500,000円
前受金 100,000円

この仕訳をBS・PLに記載するとこうなります。

このBS・PLを見て何を現わしているかイメージできますか。

野菜を販売したことで、手元に現金100,000円と後で払ってもらえる権利の売掛金400,000円があり、野菜を販売する義務から解放されて負債はなくなっている状態をBSは現わしています。また、野菜を渡したことで販売が確定したので、売上500,000円稼いだことをPLで現していることがわかればOK。

まとめ

今回は、”商品を売った時”の仕訳という括りで解説しました。問題③を除き、商品を販売して売上を上げている問題になっています。

では、違いはなんだったか。問題文をもう一度見てみましょう。

  1. 商品を5,000円で販売し、現金5,000円を受け取った
  2. 商品を500,000円で販売し、代金は掛けとした
  3. 商品500,000円の注文を受け、手付金として現金100,000円を受け取った
  4. 商品を500,000円で販売し、すでに受け取っている手付金100,000円との差額400,000円を掛けとした

わかりましたかね。買う側の支払方法が違いますね。売り手(販売)側から見れば、売上代金の回収方法によって、仕訳に違いがでていたわけです。

今回の問題を通して、販売代金の回収方法によって仕訳に違いがでるということが分かれば十分です。

あと、もう一つ。

今回の問題は問題①を除き、違う記事の”商品を買った時”の仕訳の問題とほとんど一緒です。なぜか?

買い手側(スーパー)から見た時と売り手側(農家)から見た時の違いなだけで、取引自体は同じだからです。

  1. 商品を100,000円で仕入れ、代金は現金で支払った
  2. 商品を500,000円で仕入れ、代金は掛けとした
  3. 商品500,000円の注文し、手付金として現金100,000円を支払った
  4. 商品を500,000円で仕入れ、すでに支払っている手付金100,000円との差額400,000円を掛けとした

なので、売った時の仕訳と買った時の仕訳を対で考えることができたら、完璧です‼

買った時の仕訳の記事はこちら。

ではまた。